ポルトガルから一通目
愛しいあなた、
どんなに自分が浅はかな人間か、思ってもみました?
あなたの本性がわかりました。
見せ掛けの希望で、私を裏切ったのです。
こんなに惨めな思いをさせられるなんて!
喜びの予感を注いで掻き立たせてくれた情熱は
今や、つまらぬ失望でしかないのね。
これに見合うのは、その元凶、
残酷な見限りという仕打ちだけ。
この身の悲痛がいかに機知に長けていて、
あなたがいらっしゃらない、この惨状に、
名を授けようとしたところで、
どんなに痛ましい言葉でも足りないはず!
多くの愛を映してきたこの両の目は
あなたを失えば、永遠に盲いてしまいます。
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という感じで、
Lettres portugaisesという
17世紀の文章を翻訳しましたので、公開します。
http://shakawa.way-nifty.com/shakawa/lettres-portugaises-lettre1.html
ポルトガルの尼僧が書いた実際の恋文
もしくは、そういう体裁の書簡体小説
事実か虚構か、どっちの説が正しいかは
未だにミステリーですが、
とにかく、悲痛な内容の手紙です。
今は一通目だけですが、
全部で五通あるので、そのうち続きやります。
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